作成の経緯

この検査はこれまで、「東京教育大学体育心理学研究室作成の幼児運動能力検査の改訂版」と呼ばれてきたものです。しかし以下に述べるように、当初のものとは大幅に種目が入れ替えられてきました。そこで今回、この検査の開発に中心的な役割を果たしてきた松田岩男、近藤充夫、杉原隆の3名のイニシャルをとって、『MKS幼児運動能力検査』と名付けることにしました。

おおもととなる検査の基準が最初に発表されたのは1961年です。東京都内の幼児1,000名弱を対象として測定されたデータで作成された上・中・下の3段階評価でした。このとき50m走、垂直跳び、ソフトボール投げ、連続片足跳び、懸垂などについても測定がなされていますが、基準は発表されていません。これらの種目は先行研究に基づいて選択されたものです。

1965年には東京都内の幼児約2,000名を対象として、5段階の判定基準が作成されました。最初に全国的規模での標準化が行われて基準が発表されたのは1968年です。10,000名以上の幼児が対象となっています。その後、1974年には棒上片足立ち、長座体前屈、伏臥上体そらしが削除され、1987年には捕球と的当て蹴りが試験的に行われました。1998年には的当て蹴りが削除、25m走の代替え種目として往復走、ソフトボール投げの代替え種目としてテニスボール投げが行えるようになりました。これ以降、現行の6種目となっています。これらの測定種目の入れ替えは主として実施上の問題点と幼児期の運動発達の特徴を考慮して行われてきたものです。

調査年・論文発表年と測定種目
調査年 論文
発表年
測定種目
1954

1959
1961 ・立ち幅跳び ・テニスボール投げ ・棒上片足立ち
・長座体前屈 ・伏臥上体そらし ・ディッピング
1962

1964
1965 ・25m走 ・立ち幅跳び ・ソフトボール投げ ・体支持持続時間
・棒上片足立ち ・長座体前屈 ・伏臥上体そらし
1966

1967
1968
1971
・25m走 ・立ち幅跳び ・ソフトボール投げ ・体支持持続時間
・両足連続跳び越し ・棒上片足立ち ・長座体前屈 ・伏臥上体そらし
1973 1974
1975
・25m走 ・立ち幅跳び ・ソフトボール投げ ・体支持持続時間
・両足連続跳び越し
1986 1987 ・25m走 ・立ち幅跳び ・ソフトボール投げ ・体支持持続時間
・両足連続跳び越し ・捕球 ・的当て蹴り
1997 1998
1999
2002
・25m走(または往復走) ・立ち幅跳び ・ソフト(またはテニス)ボール投げ
・体支持持続時間 ・両足連続跳び越し ・捕球
2002 2004
2006
2007
同上
2008 2010 同上

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概要

運動能力検査実施要項

運動能力判定基準表

幼児運動能力研究会メンバー

MKS幼児運動能力検査のご利用について

MKS幼児運動能力検査は、幼児の発達の理解に広くご活用いただくため、どなたでも利用できます。ご利用に際し、何らかの文章等で発表をされる場合は、本検査を使用したことを必ず出典とともに明記して下さい。ただし、検査および判定基準表等を営利目的で使用することは固く禁じます。